付かず離れずな距離



それはいつもと変わらない日だった。いつも通り任務に行って、いつも通りスクアーロに抱かれて。

「痛かったかぁ?」
「違う。なーんか感傷的な気分になっちゃって。」

ただ、その日だけはスクアーロに抱かれながらほろほろと涙を零した。私の気持ちを知ってるくせに、どうしてスクアーロは変わらず私を抱くの?私の気持ちに気づいている。そう確信した日から、心の中にモヤモヤした雲みたいなものが生まれて、そいつが雨を降らしてた。私、こんなに悩んでる。こんなに悲しい。スクアーロは、何とも思ってないの、かな?

「いいから続けて。もっと気持ち良くなりたい。」
「あ、…ああ。」

一度引き抜かれたスクアーロのペニスがぬるりと膣に埋まっていく。その時に触れた素肌が温かくて、もっともっと引っ付いていたいって思った。

「んっ…」
「泣くな。ヤりづれぇだろぉ。」
「だ、って、気持ちい、んだも…ん。」

泣きたいくらいに気持ちいい。これも本当なんだけど、スクアーロはどうせすぐに気づいたよね。本心はそこじゃないって。分かってる。けど、それは言えないんだ。こんな関係だって、私にとってはスクアーロとの大切な繋がりだから。

「これでも、悪いと思ってんだぜぇ。」

ぎゅうって私を強く抱きしめながら、スクアーロは震えた声でそう言った。当然私は、何が悪いの?と聞き返す。悪いのは私だよ。怖がりだから好きって言えない、私が悪い。

「本当のこと、言ってやりてぇ…好きだって、言ってやりたいのに。こんなことしか出来ねぇなん、て。」

私のナカを掻き回しながら、スクアーロはそんな信じられないような言葉を吐いた。私はね、この気持ちを伝えたら、関係が終わるんじゃないかと思ってた。



だけど、スクアーロはこの付かず離れずな距離から生まれる何かを信じていたのかもしれない



その何かが、言わずと知れた愛というものなんだろうか。



091204


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