癇癪



「寝た気がしねぇ…」
「でも美味しかったよ!」

スクアーロは私に朝食を作った後、もう一度寝直したらしい。一時間しか寝てないなら当然かもしれないけど。昼前に起きてきたスクアーロは凄く不機嫌だった。

「飯くらい自分で作れ。無理なら食事担当の隊員に頼め。俺に頼むなぁ。」
「いい加減にして!!流石の私も怒るよ!」
「え゙?(俺の台詞…)」

そんなに冷たく言わなくてもいいじゃん。私はただ大好きなスクアーロが作ってくれたご飯を食べたかっただけ。確かに無理矢理起こしたのは事実だけど、それくらい乙女心に免じて許せよ!急に声を荒げた私に驚いたスクアーロは何か言いたそうに口を動かしていた。

「何?」
「いや、俺の台詞…」
「はぁ?」
「…何でもねぇ。」

ガクリと肩を落とすその姿も、嫌。やめてよ。私が嫌われちゃったみたいじゃない。そんなことないよね?スクアーロは優しいから、こんなことで人を嫌いになったりしないでしょ?ねぇ、ねぇってば!

「スクアーロのバカ!いつまでそうしてんの!?」
「なっ…!」
「スクアーロなんか大っ嫌い!!」

嘘ついた。


本当に大っ嫌いなのは、癇癪持ちな自分なのに。


「よく分かんねぇけど…悪かっ、た?」
「あ、謝ったから、許してあげる。」


君みたいに優しくなりたいよ。


091120


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