恋愛の楽しさとは何か。その答えは人の数程あるに違いない。そこで私は数ある答えの内一つを挙げてみるとする。それは駆け引きだ。態と連絡を入れなかったり、態と浮気を仄めかしたり…そうして相手の反応を窺い、自分が如何に愛されているかを確認する。しかしこれはリスクを伴うスリリングな楽しみ方とも言えるのだ。

「今からちょっと出掛けたいんだけど。」
「送ってやろぉか?」
「え…あ、えーっと。」

何故スリリングかと言うと、相手の反応次第で愛されていないと確信する可能性もあるからだ。今正にその状況。空が薄暗くなり始めるような時間に、彼女が出掛けようとしてるんだよ?どうして聞いてくれないの?何処に、誰と、何をしに行くんだって。呑気に車のキー探してる場合じゃないでしょ!

「ねぇスクアーロ!」
「なんだぁ?」
「あのさ、その…」

本当は何の予定もない。スクアーロの部屋でゴロゴロしてる方が楽しい。スクアーロはそうじゃないのかな。私がこの空間から抜け出しても、寂しいと思ってくれないの?

「そういや、キーはベッドに置いたなぁ。なまえ、枕元にあるだろぉ?」

取れってか。はいはい取らせて頂きますよ。私はソファを離れ、ベッドに片膝を乗せた。スクアーロの馬鹿!人の気も知らないで…しかもキーなんてないし。はぁ、と短い溜め息が漏れる。そしてそのタイミングを図ったかのように背中をトンと突かれた。片手片膝で体重を支えていたもんだからバランスが悪く、私はあっさりベッドにダイブ。鼻打った超痛い。

「ちょっとスクアーロ!何す、ん…の…」

後ろから伸びた手が私の頬を撫でる。体をゆっくりとスクアーロに向け、見上げた。あれ、笑って…る?

「スクアーロ、ここにキーはないよ。」
「キー?ああ、これかぁ?」

チャラリと小さな音と共にスクアーロのポケットから出てきた。それは紛れもなく探していたはずのキー。え、何それちょっと!キーがポケットに戻されるのを見届けた私は、ベッドのシーツに皺を寄せながら後退した。

「素直に言えばいいだろぉ。嫉妬してほしいって。」
「そ、そんなんじゃ…」

ぎしり。ベッドが二人分の重みを受けて鳴く。スクアーロは私の靴を脱がせながらも距離を縮めてくる。唇が、近い。

「んっ、ん…」

重なった瞬間、スクアーロの舌が私の唇をこじ開けて口内に侵入した。逃げ場をなくした私の舌は簡単に絡められ、だらしなく開いた口からは唾液が垂れる。

「いいぜぇ、その目。」

唇を離したスクアーロは私の口元から垂れた唾液を舐め上げ、水分の増した目を覗き込む。恥ずかしくて顔を逸らすと、ぎゅうっと抱きしめられた。

「なまえ、ヤらせろぉ。」
「やっ、離してぇー!」
「好きだろぉ?俺のこと。」

畜生!駆け引きを楽しむ予定だったのに裏をかかれた。楽しんでいたのはスクアーロだ。理由も聞かずに車を出すことが罠だったとは。

「す、好き…だけど、さ。」
「なら観念しやがれ。」

もう最悪。私ったら分かりやすいくらい嫌な顔してた。もっと怒って、疑ってよ!って。徐々に衣服を乱すスクアーロが、心なしかウキウキしているように見える。



駆け引き敗者



「あっ、やっ ん、ボスっ」
「ゔお゙ぉい!何で今出るのが俺の名前じゃねぇんだぁ!!」



やっぱ引き分け。



100415


快楽ドリーマー様との相互記念に作らせていただきました!その素敵サイト様へはリンクから飛べます。


霞霰様へ
大変お待たせ致しましたー!!
しかもこの完成度の低さ\(^o^)/
攻め攻めで大人の色気が武器な鮫。を、目指してはみたんですが…

何か、何か違うorz

何度か書き直してみたんですが、何ともならないっていう^ ^
個人的に車のキーをチャラチャラ回す鮫さんが大人っぽいと思います。…個人的には!
こんな鮫でよかったら貰ってやって下さい><
それでは、相互リンクありがとうございました!これこらもよろしくお願いします♪


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