極力静かに閉めたはずだ。彼、スペルビ・スクアーロはそんな男だから。

「起こしたかぁ?」
「ちょうど起きた。」

些細な音に敏感になりすぎていた。起こさないようにと気遣ったスクアーロは少し驚いている。

「まだ怒ってんだろぉ?」

昼間、くだらないことで喧嘩した気がする。スクアーロはそのまま任務に出てしまい、お休みだった私は不貞寝して…ああ、そう。私と同じ日に休みをとってくれなかったから怒ったんだった。ほんとくだらない。

「その…わ、悪かったなぁ。」

視線は常に下の方で行ったり来たり。窓から夕日がゆっくり差し込む。空は藍と橙が混じったような微妙な色をしていた。濡れた銀の髪が艶々と光る。明るいうちに任務終わらせて、急いで帰って、急いでシャワー浴びて、急いで私のところに来て…

「次の休みは、ちゃんと合わせる。好きな所へも連れて行ってやる。だから、」
「ごめん。…子供っぽすぎたね、私。」

両手を広げて待つ。“抱きしめてよ”頭の中で思うだけ。するとスクアーロは安堵しきった顔で私に近寄ってきた。大きな歩幅で、すぐに目の前。鼻から空気を吸うとスクアーロの香りがたくさんした。ありがとう。明るいうちに帰ってきてくれて。



よく見えたよ、スクアーロの顔。



「お疲れ様。」
「ゔ、お゙ぉ…飯、出来たってルッスーリアが。」
「ん、分かった。一緒に行こう。」



100815

純愛!純愛!



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