「こ らっ!怒、るよ本当にっ」
「迫力ねぇぞぉ。」

スクアーロはクスクスと笑って私の頬にキスをした。 指はひっきりなしにナカでぐちゃぐちゃ遊んでて、抵抗力をどんどん奪っていく。

「やだぁっ…こんな、とこ、で。」
「誰も見てねぇよ。」
「でも、やぁっ!」

最後の抵抗をしようと、でたらめに腕を振った。がんっと手首にぶつかったのはパーキングブレーキレバー。

「狭い所で暴れると怪我するぜぇ。」
「だっから!車の中、やなのぉ…」

確かに人気のない港の片隅だけど!辺り真っ暗だけど!外から見えてるんだよ?誰かが通ったらすぐ分かっちゃう。スイッチの入ったスクアーロを止めることは難しいけれど、止めないと私が恥ずかしすぎる。こうなったら硬くなった息子さん蹴飛ばしてやるしかないんじゃないかな。そうだそうしよう。

「嫌がってるくせに積極的じゃねぇか。そう急かすな。」

失敗。蹴り上げる予定だったのに、力が入らなかった。やっぱり痛いよね…って同情しちゃって、足が軽く当たっただけ。これじゃあ足を擦り付けて強請ってるようにしか見えない。

「か、帰ろうスクアーロ!帰ってスクアーロの部屋で、なら…」
「今がいい。」

返事をする間もなく、唇を押しつけられた。下で遊んでた指を抜き、着ていた隊服で液体を拭くスクアーロ。そして何度も私の頬を撫でる両手…それがたまらなく愛おしかった。

「今だぁ。」

吐き出された息と一緒に、低く響く声が耳を震わせる。スクアーロの唇が耳を掠めると、快感。ぞくぞくしちゃう。車の中?もう関係ない。だってスクアーロがどこに忍ばせていたのか分からない避妊具を取り出すのと、私がスクアーロのベルトに手をかけたのが同時だったから。場所なんて、問題じゃない。

「す、くっ あ…」

最初に入れられる感触が好き。ナカを押し広げられて、壁を擦られるあの時の感触…背中にのし掛かる羞恥心と敗北感から目を細めても、スクアーロの肩越しに真っ暗な海が見えた。

「そんなに外が気になるかぁ?」
「あっ、た りまえ!」
「すぐ恥ずかしがるところも、なかなか好きだぜぇ。」

スクアーロが動く度に車が揺れる。車内を覗き込まなくても、何をしているのかがバレちゃう。早くイってと願っても、叶わない。スクアーロの我慢強さは私が一番よく知っているから。

「んっ、うーっ」

右手でシートベルトを強く掴み、歯を噛みしめた。毎度悔しいけど上手いんだよこの鮫野郎!

「ゔお゙ぉい!掴むならこっちだろぉ。」

手を引かれ、スクアーロの背中に腕を回した。意外と広くていつも驚かされる。この背中を撫でていると、安心しきっちゃって駄目だ。うっとりと頬を緩ませると余裕が出来て、チラリと余所見をした。

「あ、れ?光って、る。」

目に入ったのは携帯電話。運転席に投げ出されたスクアーロのものだ。任務中に鳴らないよう音は消えているが、着信中らしく、ランプは忙しく光り続けている。

「誰だぁ?空気の読めねぇヤ、ロー…」

ディスプレイを見たスクアーロは頬に汗を伝わす。情事中故の汗ではない。スクアーロがこんなに焦るなんて。もしかして相手は…

「“目的を達したらすぐにアジトへ戻れと言っただろうが。てめぇは何度言わせる気だ。”」
「…今終わったところだぁ。」
「“分かりやすい嘘吐いてんじゃねぇよ。カスが。”」

もしかしなくてもこれは、ボス、だ。やばいやばいやばい!任務帰りに寄り道して一発ヤってましたとか言ったら、確実に明日はやってこない。

「ボ、ボス!ごめんなさい。帰りは私が運転したいって我が儘言ったの。」

とっさにスクアーロから携帯電話を奪った。血の気の多い男同士で話なんかしたら確実に激しい喧嘩になるんだから!私がボスを説得していると、スクアーロは小さくため息を吐いてから陰茎をゆっくりと抜いた。

「“なまえがか?”」
「そう!遅くなってごめんなさい。スクアーロがうとうとしてる時に道を間違えちゃって…」

ナカから抜かれる刺激に耐えながら、頭に浮かんだテキトーな嘘を並べる。バレてるかもしれない…でもスクアーロが説明するよか幾分マシだ。

「“場所は?”」
「さ、さぁ。けどスクアーロ今起きたんで、運転代わってもらいます!」

言い逃げ?かも。一方的に電話を切ってしまった。まぁそれは電波が悪かったことにしようか。今一番問題なのは、不満そうにベルトを締めるスクアーロだ。

「仕方ないじゃん。そんな顔しないでよ。」
「うるせぇ!とっとと帰るぞぉ。戻ったら報告は俺がする。なまえは俺の部屋で待ってろぉ。」
「え、続きすんの?」
「当たり前だろぉがぁ!!」

どかっと運転席に座るスクアーロは明らかに機嫌が悪かった。その後いつもよりちょっと荒い運転で帰る羽目になり、本日の任務はトホホな感じで幕を閉じた。




「テメェこのクソボス…態とらしいんだよコノヤロウ!」
「カスばっか良い思いしてんじゃねぇぞド畜生が!」



スクアーロ、ボスに怒られてないといいなぁ。と、ふかふかのベッドの上で思った。



100511

ボスと鮫の喧嘩可愛い(^q^)


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