凄く暖かい日。冬だというのに…窓際に座ればその暖かさは一層増していく。暗殺部隊のアジトらしからぬ雰囲気に、何とも言えない幸せを感じる。今この時がこんなに幸せだと思うのは太陽のお陰だけではなく、私の膝に頭を乗せて眠るこいつがいるから。何度も退けようとしたけれど、腰に回された腕がそれを許さなかった。

「本当に隊長さん?こんな姿、部下には見せられないね。」

銀の髪に指を滑らせれば、サラサラと流れて落ちた。スクアーロにとっては久々の休日。私も結構忙しい方だけど、流石にスクアーロ程忙しくはない。たまたま休みがかぶった日くらい、好きにさせてあげたい。そう伝えた結果がこれだ。眠いから枕になれ。だって。動けなくなった私は特にすることもないし、足は既に痺れてる。何か出来るとしたら、スクアーロの寝顔を眺めながらこうやって頭を撫でることくらい。

「こらースクアーロ。そろそろ暇になってきたぞー。」

私の訴えも知らずに、気持ちよさそうに眠ってる。時折聞こえる小さなうなり声が可愛い。三十路乗ったおっさんのくせに。あー暇、暇…凄く暇。それなのに私は、まぁいいかで済ませてしまう。どうして?どうして?

「ねぇ、どうして、こんなに好きなんだろう。」

こんな暇すらも、スクアーロがいるだけで関係なくなる。幸せな時間に変わるの。好きで好きで、どうしようもなくて。頬に手を添えてみれば、その上に大きな手が重ねられた。ぎゅって手を握られて、ゆっくりと頬から退かされる。そして瞼を少し持ち上げたスクアーロが嬉しそうに口を開いた。

「俺だから、だろぉ?」
「やだ、いつから起きてたの?」
「結構前から。」

足痛いから早く退いてよと頭を叩くと、スクアーロは顔だけを上に向けて顎を少し上げた。私はその意味を理解し、自分の唇をスクアーロのと重ねる。まったくこの年でキスを強請るなんて。と、ちょっと呆れながらも、やっぱりまぁいいかで済ませてしまう。

「もっとしっかりしろ。全然足りねぇぞぉ。」
「あのねぇ…」

やっと起きあがったスクアーロはニ、三回首をコキコキ鳴らしてから私の顎を持ち上げた。どきんと心臓が鳴って、私はゆっくり目を閉じる。重なる唇、絡む舌、伝わる熱。ああ、ああ。どうしても適わない。

「今度はなまえが下だぜぇ。」
「私、眠くない。」
「違う。」
「…ヤんないよ。こんな真っ昼間から。」
「俺がヤりたい。」

そのまま押し倒されて、私の首にはキスマークが付いていく。もう、明日仕事なのに…でも、きっと明日は寒いから、まぁいいか。マフラーでもしていこう。



暖かな日差しと、貴方がいれば幸せだから



「…なまえ?」
「あ、足、痺れ、てんの、よ馬鹿!」



091210

鮫可愛いよ鮫


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