「ねぇ!下の毛も白銀なの?」

雨降りの日だった。スクアーロが濡れた髪を拭きながらアジトに戻ってきたのを見て、一言。

「…何言ってんだぁ?」
「スクアーロは髪の色が白銀でしょ?だから、下の毛もそんなに綺麗な色してるのかなって。」

ただでさえ綺麗な髪が、雨に濡れて余計キラキラしてたんだ。もうスクアーロにメロメロな私は最近頭が卑猥な方向にすっ飛んでしまっていて、スクアーロの下事情ばかり気になっている。

「下って、こっちかよ。」
「そうそう!出来たら見て確かめたいんだけど。」

スクアーロは自分の下半身に目を落とした後、呆れた顔を私に向ける。あのさ、見て確かめたいって、本当に見たいだけじゃないよ?体の関係を持ちたいって意味なんだよ?気づいてくれた、かな?

「…俺の部屋でならなぁ。」
「え、いいの?本当に?」
「減るもんじゃねぇだろぉ。」

あんた太っ腹だなぁおい!…意味、分かったのかな?それとも、ただ見せるだけ?どちらにせよ、色の謎は解明出来そうだ。

「ふふふーだからスクアーロって好き。」
「そりゃ光栄だなぁ。」

他愛ない会話をしながらスクアーロの部屋へ。部屋に入るなり、スクアーロは寝室に直行。何だ見せる気満々じゃん!きっと私の本心も見抜いているんだろう。

「ス!…クアーロ?」

あれれ?脱いでくれるのかと思いきや、ころんっとベッドに転がったスクアーロ。なんかお休みモードなんだけど…

「俺は任務帰りで眠い。見たきゃ、その気にさせろよぉ。」

いやああああ!ちょ、えええ!!ベッドの上、濡れた髪、捩る体、このスクアーロは完璧、に!

「誘ってんでしょ!?あんたさも仕方なしにみたいな言い方だけど絶対誘ってんでしょ!?」
「俺は眠いだけだぁ。」
「嘘だー!んなエロい体した三十路がベッドの上で…ああもういいよ!さっさと脱げ!!」
「だから眠いだけだって言ってんだろぉ。」

畜生!なんだこのプレイ!ほら俺とヤりたきゃ襲ってみろよってか!?

「早くその気にさせてくれよ。」

ニヤニヤと笑うその顔が、知ってるんだぜって言ってるように見える。私が望んだのはスクアーロに抱かれることで、こんな、自分からしたいとか、そんなんじゃなくて…でもここで放置するのは流石に勿体ない。私は膝をベッドに乗せ、ツーっとスクアーロの太股を撫でた。

「そこじゃねぇよ。もーちょっとこっちだろぉ。」

義手に導かれ、服の上から触れてしまった。う、わ…スクアーロの触っちゃったよ!ちょっと硬くなってんじゃん。やっぱスクアーロ誘ってる。絶対!

「もう!ここまでしたんだから、抱いてくれてもいいでしょ!?私がしてほしいこと、知ってるくせに!」
「なんだセックスしたかったのかよ?言わなきゃ分かんねぇぞぉ。」

分かってたくせに!!クソ白々しいわこいつ!!!ちょっと一発鳩尾にくらわせてやろうか…そんなことを考えた矢先、腕を引かれて私はベッドにダイブ。上を見上げれば引っかかったなと言わんばかりに笑みを浮かべるスクアーロが。

「雨に打たれると、エロい気分にならねぇか?」
「え!あ、そ、そうだね…」




斯くして、まんまとスクアーロの罠とやらにハマった私。私としては結果オーライなんだけど、スクアーロはそう思っていないかもしれない。

「変な小細工しなくても、スクアーロになら…」
「性欲だだ漏れなお前を普通に抱いたってつまんねぇだろぉ。」
「失礼な!そういや、下も白銀だったね。」
「ゔお゙ぉい…あれマジで言ってたのか?」


目論見は違ったにせよ、結局二人の行き着く先は同じだったわけで。私、別に下の毛を誘う口実にしたわけじゃないんだから!



091107

鮫→下の毛=誘ってるんだと勘違い
私→下の毛=見たい。あわよくばシたい


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