「駄目に決まってんだろ。」
「いや、ボスはことの重大さを知るべきだ。」

相変わらず行儀のよろしくない座り方をしたザンザスに恐れることなく、なまえはその紅い瞳を真っ直ぐ見ていた。
この緊迫した雰囲気を目の当たりにしたのは二人の幹部。二人とも自分たちの報告書とやらをザンザスに渡しにきただけだ。しかし彼らはこの張り詰めた空気に躊躇っていた。
無視してザンザスの机に置いて立ち去るべきか、この空気から解放されるまで見届けるべきなのか…
手に握りしめた報告書の行き場は、ない。

「ゔお゙ぉい、いつからこの調子なんだ?」
「さぁ〜ね、俺が来た時にはもうこの状態。王子待たせるとか有り得ねー」

小声で話しているのはスクアーロと、先に来ていたベルだ。スクアーロにしては頑張って小声を出している。が、小声にはまだまだ遠い。

「いい加減にしてボス、私の任務、つまり命に関わることなんだから。」
「…聞き飽きたんだよ、カスが。」

お互い一歩も譲らない。頑固な二人だ、それは当たり前とも言える。しかし短気なのもこの二人、結論が出ない話をこれ以上続けるのはもう限界だろう。きっと数秒、否、もうコンマ一秒の差だったと思う。なまえがボスより先に血が上ったようだ。

「聞き飽きたならYESと言って!私にヌーブラ買ってって言ってるでしょ!!!」
「だから何故それを経費で出せと言うんだ!勝手に買え!!」
「…………聞こえた?」
「…出来れば聞きたくなかったがな。」

躊躇するなんて馬鹿げてる。ズカズカ部屋に入って報告書を投げつけてやればよかった。珍しくスクアーロとベルの気持ちが一つになった瞬間だ。


090630

くだらないけど続く


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