最近変だ。何が変って、もう全部変な気がする。あ、ほらベルがこちらに向かってくる。きっとあいつはまたするだろうな。

「なまえじゃん!任務終わったんだ、お疲れ。」

ぽんぽん。予想通りベルはその手で私の頭を叩く。後ろから足音がするなぁ、これはきっとフランだ。あと5、4、3、2、1、

「なまえせんぱーい、お疲れ様でーす。相変わらず抱き心地が良くてミーは感激ですー。」
「フラン降りて。重いよ、主に頭が。」

背中に飛び乗ったフランを軽くあしらってまた歩く。向かうはボスの部屋。ベルもフランも大好きな同僚だ。でも、最近変なんだよ。触れられると気持ちよくて、心臓が煩く脈を打つ。これはこの二人に限ったことではない。任務内容や報告書の受け渡しの際、時たま触れるボスの手や、よくやったと肩を叩くレヴィの手もそうだ。もちろんレヴィの時はドキドキが三分の一に減少するけどね、ほら私って面食いだから。ルッスーリアは女同士だと思ってるからいいの。とにかく、あれだよ。発情期的な…

「な、情けない…」
「いつものことだろぉ。」

ボスに任務無事遂行の報告をし、新たな任務を言い渡されたすぐ後、失礼しましたと扉を閉めて吐き出した心情。それに返ってきた返事は同僚のスクアーロのもの。

「任務でミスったかぁ?」
「まさか。」
「珍しいなぁ!明日は雪でも降「スクアーロ!」
「冗談、今日はえらく短気だなぁ。生理でもき「ス、ク、ア、ア、ロ?」
「だぁから、冗談だ。」

ヒラヒラと手を振りながら、スクアーロはボスの部屋へと消えた。中からガラスの割れる音やスクアーロの馬鹿デカい怒鳴り声が聞こえてきたので、慌てて耳を塞いで談話室へ足を向ける。巻き込まれたらたまったもんじゃない!




「逃げたななまえ。」
「うわっ!もう終わったの?」

今日のボスは機嫌が良かったんだろう。額を赤くしたスクアーロが談話室に入ってきた時点でそれが分かる。酒をかぶっていなければ血も出ていない。これこそ珍しい!明日は雪だね。なんて言えば三枚に卸されかねないから黙っておこう。

「今日はな。…で、情けないなまえサンは何をしでかしたんだぁ?」
「話変えるね〜180°くらい違うじゃん。てかしつこい男は嫌われるよ。」
「なんだぁ?やっぱり生理で「学習しろよ馬鹿鮫。」

額の赤くなった箇所に渾身の一撃(という名のデコピン)を食らわしてやった。馬鹿鮫はねーだろぉと愚痴っているけど無視無視。言えるわけないじゃん、こいつが一番の問題にもなっているんだし。そう、誰よりもスクアーロに触れられるのが駄目なんだ。気持ちよすぎて、そのまま全てを委ねたくなっちゃう。私は馬鹿じゃないから、そのことを本人には言わないけど。

「生理じゃねぇってことは…」
「まず生理から離れろ馬鹿鮫。」
「ボスに何か言われたかぁ?あいつは成功した任務にもケチつけるような男だ、気にすんじゃねぇ。」

どうしてボス?あーボスの部屋の前だったからか。関係ないんだけどな…え、ぴたり、ぴたり、って私の頬にスクアーロの両手?もしかして泣くと思われたの、かな。暖かい右手と冷たい左手。背筋がふわって浮いたみたい。触られると、こんなに気持ちよくて、こんなに胸が苦しい。

「頬だけ、熱いぞぉ。」
「誰のせいよ。」
「俺かぁ?」
「…分かってんじゃん。」

優しいくせに性格悪いなぁこいつ。全部分かってたんだ、私の気持ち。他の男にドキドキしてたこと、触れられたいと思っていたこと、それも、スクアーロに一番。

「生理じゃなきゃ発情だってか。知能の低い動物と同じだなぁ。」
「鮫ほど低かないけどね。」
「言ってろ。いい仕事するぜぇ?」
「抱いてくれるの?」
「なまえがいいと言うなら、なぁ。」

その後本当にセックスしてくれたスクアーロにビックリ!けど抱かれたって変なんだ。もう全部変。今度は


いつだって
スクアーロを求めてる



「もう、あいつらに触らせんなぁ。」
「えーやだー」
「(こいつ…!)」



090827

生理生理言い過ぎだろスクアーロ!



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