“キスしたい”こいつの顔を見ていると、そう思わずにはいられない。
悪いのは私ではなくて、目の前にあるソファで呑気に寝ているスクアーロ。
暗殺部隊?作戦隊長?全部嘘だろってぐらい今のスクアーロは無防備。女の私が簡単に手を出せそう。唯一の救いがソファだ。もしスクアーロがソファではなく数メートル先にあるベッドに横たわっていようものなら“キスしたい”ではなく“エッチなことしたい”と思ってしまうだろう。

「スクアーロ。」

呼んでも返事はない。端っから起こす気がないので返事がなくて正直ほっとした。起きるな起きるな、起きるなよ。呪文のように心の声で念じながら、ゆっくりとスクアーロの唇に自分のを近づける。

「痴女。」

残念、起きちゃったよ。あんなに念じたのに、あと5センチだったのに。私は舌打ちしながらスクアーロから唇を遠ざけた。それと同時に乱れた髪を手櫛でときながらスクアーロが体を起こす。勿論だけど怒られた。

「寝込み襲ってんじゃねぇーぞぉ。」
「だってエロかったんだもん。寝てたのがソファでよかったね。ベッドだったら本当に襲ってたよ。」
「うお゙ぉい…」
「ほらスクアーロってば全身が卑猥だから。今現在も猥褻物陳列罪が適応されるよ。」
「ゔお゙ぉい!人を全裸みたいに言うんじゃねぇ!!!」

全裸どころか、こいつ顔と首しか肌露出させてないじゃないか。気にくわない。もっと脱げばいいのに。ああそんなことされたら私の理性が保たないよね、だから露出してないんだ納得。

「人の部屋に勝手に入りやがって、何の用だぁ?」

あ、忘れるところだった。と言って用件を言えれば不法侵入も正当だと言い張れる。しかし残念なことに用事なんてない。ただスクアーロが数時間前に任務から帰ったという情報を聞き、今だったら寝ているかも→寝顔見たい→あわよくば襲いたい→侵入に至った訳だ。用事があるとすれば、スクアーロを襲うことだろう。これは言ったら三枚に卸されそうだから秘密。

「ごめん、忘れた。」

またねと言って私は部屋を出る。もたもたしてたら「なんだそれ!」って怒られそうだったから。あ、けど今晩性懲りもなくまた襲いに行くからね!


090629


スクは猥褻物だと思う^q^


←|


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -