暑い暑い、暑い。私は隊服をパタパタと揺らしながらソファに沈んだ。疲れたよ、こんな暑い日に限ってどうして昼間の任務なわけ?暗殺なら夜させろー!と嘆いたところでもう済んだ話。照りつけていた太陽はオレンジに色を変えながら傾いている。今、何時だろう。

「…15時半くらいかな。」
「16時10分だぁ。」
「そっか。…って、え?あれ?」

埋めていた顔を上げればスクアーロが。うわ腹立つ、こいつ超涼しそうな格好なんだけど!今日休みだっけ?なんて思いながら体を起こした。暑さに奪われた体力はまだ回復していなくて、頭がクラクラする。

「珍しく薄着だね…美味しそう。」
「黙れ変態。」
「いーじゃんケチ!」

今日のスクアーロはいつもの真っ黒なコートを脱ぎ捨て、真っ白なシャツに身を包んでいた。いつも見せない腕も、二の腕から手首まで晒してる。左手の手袋は外せないみたいだけど。いいよね、白シャツって透けるし、エロい。スクアーロみたいなガード堅そうな男が着てるってのがまた、エロ+αみたいな。

「ったく、やらねーぞぉ。」
「え、ヤりたい!!」
「いやそうじゃなくてだなぁ。」

あーもう、と頭をかきながら、空いた手に持つ缶ジュースを隠すスクアーロ。意地悪してごめんね、本当は気付いてたけど知らないふりしてる。あれ?どうしてだろう。早く寄越せよって言えば終わりなのに。

「スクアーロ、今日お休みでしょ?どうせ暇なんだから夕飯まで私と楽しいことしようよ。」
「ゔお゙ぉい、言っておくが、そんなに暇でもねぇぞぉ。」

スクアーロはちょっと不機嫌な顔をし、隠していた缶ジュースを私めがけて投げつけた。ギリギリセーフ!危うく顔面からキャッチするところだったよ。うわ、この缶ジュース、水滴が凄いな…私が暑い暑いって煩いから、こんなに冷えたの持ってきてくれたんだ。カス鮫のくせに気が効くじゃない。

「つれないくせに優しいじゃん。普通休みの日まで仕事仲間に構いたくなんかないでしょ?私生活を大切にしなさい。」
「礼くらい素直に言えよなまえ。」
「ドウモアリガトウ。」

本当に構ってくれてありがとう。何故かは分からないけど、少しでも長くスクアーロと話したいって思ってるんだ。



知らないフリした缶ジュース
それは君と5分長く話す為の口実



090716

スクアーロの私生活は占拠した!



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