次郎部屋 | ナノ

「最近和樹に近づく輩がいるんですよね」


はぁ、とため息をこぼした久住ちゃんにぴくりと反応したのは俺と、かいちょーと、わんちゃんせんぱいと優ちゃん。

つまりみーんな。

和樹ちゃんは俺たち生徒会にとって大切な子だから、そんなの許せるわけない。


「ふうん、誰なの〜?その輩ってえ」


「こないだ会ったでしょう。和樹の同室の桐生次郎です」


ふうん、そっか。
どんなのだっけ。
黒髪のひとだよね、やたら白い。


「和樹はいい子ですから心配です」

そうだねえ。
和樹ちゃんは優しいからどんな人でも受け入れちゃうもんね


「つぶしちゃおっか」


俺のつぶやきは誰にも聞こえることもなく、コーヒーをすする音に溶け込んだ。