次郎部屋 | ナノ




今日は朝からおかしかった。


「……次郎?」

「ん、なに」


和くんが不思議そうな顔をしているのだろう。でもそれを俺は見ることが出来ない。


(眠すぎて目が開かない。)


遡るのは5時間前。深夜二時頃。突然震え始めたスマホに眠い目をこすって触れる。


『もしもし!?次郎!?ねえ聞いてよ!!彼ったら浮気してたの!!!』


彼ってなんなの俺の彼女でしょ君。なんて海外に溢れる彼女の一人の話を明け方まで聞いていた。


だからたぶんこんなに眠いのだ。

「次郎!?」


そんな和くんの叫び声にうるさいなあと思いながらぷつんと意識が途切れてしまった。