ふと窓の外をみると広がるグラウンド。さすが金持ち学園、無駄に広いグラウンドにジャージをきた生徒たちがわらわらといる。
(あ)
いた。
見つけた瞬間すこしほおを緩ませてしまうから俺もげんきん。
だるそうに太陽の陽をあびて、艶やかにひかる黒髪をわしゃりと掻き上げる姿は病的な白さともやしなみのヒョロさをなぜか強調させる。
つまるところとてもえろい。
なんて太陽が似合わないんだろうあの子は。
とんがらせた唇が紅くて、隣にいる生徒会会計がすこしわたわたしているのが見える。
年相応な表情は、なかなか俺の前では現れないそれで、
(かーわいー)
柄にもなくまたほおを緩めた。
第一印象は正直あまりよくなかったとおもう。
ただでさえ疲れているときに、寝っ転がっているあの子に気付かずしっかり踏んでしまったのが出会いだったか。
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