次郎部屋 | ナノ





「なんで君はいつも俺のいる場所にいるわけ」


呆れたような声を発するのは同じクラスのなんとかさん。
とてつもないイケメンの彼は銀色の髪の毛を風にたなびかせながらこちらを睨んでいる。


「自意識かじょーもいいとこですねー」


手に持っていたコーヒー牛乳を音をたててのむと彼は嫌そうな顔をした。

実際そうなのだ

自意識過剰もいいところだ

俺は俺の行きたいところに来てるんだから、そんなんそっちが着いて来てるだけかもじゃんか


理不尽だ


そう思いちらりと彼を見ると彼はすでにそこにいなくて、キョロとすると柵前に腰掛けて本を読んでいた。


じゃあ俺も、とそこまであるき横に腰掛ける。

彼はまた嫌そうな顔をしたが文句はいわず、また本に目を戻した。



「…っと、ちょっと、」


しばらくして、ふわふわした気分だったのに思いっきり揺さぶられ視界がクリアになった。

どうやらおれは寝ていたらしい



「…ふぁ…なにですか」


ゆっくり視線を持ち上げるとキラキラ光る銀色がゆれていて、

あぁ、きれいだなあ

と柄にもなく目を細めて心で感嘆した。



「昼休み終わったし、だいたいこんなとこで寝るなんて風邪ひくよ」


なんだ、着いてくるなとかそんなことを言っていたくせにいがいとやさしい


「まぁ馬鹿はなんとやらっていうし君は大丈夫かもね」


いい笑顔で言われた言葉で前言撤回。


仲良くなる少し前のお話。