次郎部屋 | ナノ








「大丈夫!?冷えちゃうよ」


びちょびちょの俺を見て顔を青くした次郎が駆け寄ってきた。

クラスメイトが遠巻きに見る中、次郎は自分のことみたいに焦ったように近寄ってきた。


「寒いね、
こんな時期にこんな陰湿なことするのはちょっとよくない」

そう言って困ったように笑う姿に泣きそうになった。自分の金髪からポタポタと水滴が落ちる。

混ざるように涙がこぼれ落ちそうだった。


こんなこといつもなら屁でもないのに、次郎があまりにも痛々しく笑うから、


フワッといい匂いに包まれた。
それは安心するような優しい匂いで、俺が大好きな匂い。

「とりあえずこれ羽織ってて」


顔を上げるといつの間に脱いだのか上半身裸の次郎が立っていた。

匂いの元は俺にかけられた次郎のシャツらしい


「ちょ、次郎なに脱いでるの!?」


善がしかめっ面をして次郎に駆け寄る。


次郎の顔に向けていた視線を少し下ろした。


「…!」


白ッ!!!
うぇ!!?

自分でもわりと自分のこと白いとおもってたけど、比じゃない!

今更だけど、次郎すごい美人だよな!

周りにいたクラスメイトも目を剥いてこっちを、というか次郎をガン見しているし!



「え、桐生のカラダやばくね」
「めっちゃエロいんだけど」
「条山の濡れシャツもやばかったけど桐生やべえ」


チラホラ耳にはいるその風貌への感想に頷ける!次郎めっちゃエロいぞ…



「なに善ちゃんそんな慌てて
それより和くんが風邪引いちゃう」

そうじゃなくて、
下半身抑えてトイレ行ったやつとかいるじゃんか


ほんと自覚持つべきだ、次郎は。