日記 | ナノ
趣味趣向




「ルルヴェルは良いよなあ」
「うん?何が?ルーク」
「いや、何となく…違う、何となくじゃなくて、その…」
「何なに、どうしたの?悩み事ならお姉さんが聞いてあげるよ」
「や…ルルヴェルってさ、コトとすげー仲良いよな」
「そーだね!仲良いね!」
「嬉しそうだな」
「まあね!で、それがどうしたの?」
「あ、いやだからさ…コトっていつもルルヴェルのこと気にかけてるじゃん」
「そう?」
「うん。コトがちゃんと叱ったりするのもルルヴェルにだけだし、ルルヴェルのこといつも心配してるみたいだし」
「うーん、私のが年上なんだけどな」
「見えねえよ」
「ひどいよ!」
「だってアニスと同い年くらいにしか見えねえじゃん」
「ひどすぎる!ルークのばか!私とコトの仲が羨ましいからって!!」
「…………」
「…ん?」
「…………」
「ルーク?」
「…………」
「…もしかして図星だった?」
「…………うがあぁああああああ!!」
「ひっ!?いきなり叫ばないでよ心臓ぽろりしちゃうじゃん!!」
「ああもう!おまえ!ムカつく!ウッゼー!」
「親善大使さま!?」
「くっそー…!女同士って良いよなあ、会ってすぐ仲良くなれちまうんだからよ…」
「…違うと思うけど?」
「は?」
「ルー君だって分かってるでしょ。コトがなんで私のこと気にかけてるのか。あの子、最初に私のこと見たときに『誰?』って言ってきたんだよ」
「!」
「コトの知ってる世界に、ルルヴェルは居ないんだって。コトは異端の私を見張ってるんだよ、多分」
「で、でも、コトはちゃんと、本当におまえが好きで…」
「分かってるよー、それくらい。でもやっぱり、ルークが思ってるようなものじゃない気がするよ。私は何の隔たりもなくコトと話せるルークが羨ましい」
「ルルヴェル…」
「だって、私コトが好きなんだもーん。もちろん、コトも私のこと好きだしねっ!少なくとも、ルークよりは」
「なっ…おまえなあ!」
「あ、コトみっけ!コトー!今日のデザートはオレンジのゼリーが良いな!」
「やだもうルルヴェル大嫌い」
「えっひどくない!?」
「ひどくないわよ」
「そりゃルルヴェルが悪いだろ…コト、俺夕飯エビチリが良い」
「エビもう残ってないわよ?」
「げっ、まじかよ!」
「…嘘。分かった、エビチリね。仕方ないからルルの分だけゼリーもやるわよ…」
「やったね!コト好き!」
「!?」
「はいはい」
「ルークもコト好きだって!」
「!!!!???!?!?」
「は…?」
「あぁああああああもうルルヴェルてめぇええ!」
「わぉう!?オーバーリミッツ!?」
「これでも食らっ」
「わないよー!」
「てめぇええ!!」
「うっるさい!!二人とも黙れ!閉め出すわよ!!」
「ご…」
「ごめんなさい…」
「…今日は…グラタン」
「えー!!」
「デザートはヨーグルト」
「なんで!!」
「煩い…」


ルルヴェル初見の一言は「あなた誰なの」で後にこうなる気がする。
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -