「千愛、今までどこにいたんです?」
約束の時間から40分と過ぎた部屋で僕は彼女をジリジリと部屋のすみに追い詰めていた
「ちょ ちょっと、そこまで」
「千愛」
「い、いふぁいよーむふろぉ!」
逃げ場のなくなった千愛の頬を引っ張ってみると 見事に伸びた肌
「言わないとこのままほっぺた、たるませますよ」
「!? わーふゃだー!」
このままの千愛を見るのも楽しかったが反抗する力が強まってきたので放してあげた
「…痛い」
「白状する気になりましたか?」
「むー…」 「千愛」
頬を擦りながら千愛は小さな声で呟いた
「…ボスの とこ」
「なっ…」
何故です?と理由を聞く前に千愛がポツポツと話し出した
「ボスと…さっきすれ違った時に 怪我してるの見えて」
「心配だったの…ごめんなさい」
下向きがちに話す千愛の顔は、涙を流さまいと唇を噛み 鼻は赤くなっていた
「黙っていたのは…僕が怒ると思ったんですか?」
彼女は唇を噛み黙ったまま
思わず溜め息が出そうになる
「…いつも元気で手を出すのも早くて強気なくせに、他人の怪我を放っておけないような優しいあなたを僕は好きなんです。」
もう慣れてますからそんなことで怒りませんよ
「千愛の姿が見えなくて、…僕も同じように心配だったんです」
千愛の頬に涙が流れた
「泣き顔も可愛いですが僕は笑顔の千愛が堪らなく愛しいです。ですから…」
ゆっくり頭を撫でながら、そっと君を抱き締めた
僕の傍で笑ってなさい
(ですが、他の人を見る千愛はあまり好ましくないですね。)
後で沢田綱吉のお見舞でも行きましょうか
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