「千愛ちゃんって」


ツナくんと付き合ってるの?


「きょ、京子ちゃん!?どうしたの?急に」



あまりの唐突さに声が裏返りながらも質問をぶつけてきた京子ちゃんを凝視する

その表情は恋愛話を好む女子特有のものだ




「ふふっ気になっちゃって!」


(‥絶対おもしろがってる!?)





「で、どーなの?もしかしてもう…」


「やー!!ちょっといらぬ妄想しないで!?」


京子ちゃんの天使のような笑顔はいつもに増して満開の華を咲かせているのに、今日はなんだか怖い…!



「ツナくんのこと嫌いなの?」

「いや、嫌いってわけじゃ」

「じゃあ好きなの?」







「‥嫌いだもん」


「もー千愛ちゃんったら」


いつも意地が悪いし ムカつくし 俺様だし 笑顔怖いし







「でもね 目が合うと‥そらせなくて」


気がつけば視線の先にはいつも綱吉がいて



目があって 綱吉が笑ってくれたらあたしも嬉しくて笑っちゃうし


いつも頭の中には綱吉がいて思考回路を邪魔するの



いやなんだけど‥嫌じゃなくて








理由はわからないけど

「これって好き。なのかな」










理由なんて




「そんな可愛いこと言っちゃって。俺をこれ以上惚れさせてどうするの?」


顔の真横から手がとびたしたと思えば
ぎゅっと抱き締められた身体



ひゃっと声が漏れ心臓が飛び跳ねるのを抑えつつ 聞き覚えのある声に振り返れば話題の中心人物、彼がいた



「理由付けしなくても 俺が千愛を好きなことはかわりないからね」




「なっ…」
「ツナくん!」



「ごめんね、京子ちゃん。お邪魔しちゃって、つい」



我慢できなくて






まだ出てくるの早いよーとツナくんをこつく京子ちゃん。

あれ?なにこの展開…









頭に過ったのは信じたくない仮説






いや、でもまさかね〜






「もしかして、グル?」






2人は顔を見合わせて
「てへ☆」が似合う効果音付きの笑顔で笑った、気がした。


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