MEMO | ナノ


※『古妖精病(メランコリア)』とは、ざっくり書けば『こころに一番依存している人間のことを忘れてしまう病気』です。
それは恋人であったり、家族であったり、友人であったりと、ひとによって区々です。
命に別状はなく、それ以外の症状はありません。多分。
古妖精病患者への精神状態を配慮して、忘却対象者との詳細な関係は伝えないというのが暗黙の了解(単行本より抜粋)だそうです。



そんな病に要さゆのどちらかが冒されたらと思うと、悲恋好きの私は当然燃えるわけです。
要は未だに矢印がちさきに向いていたとしても、恐らくさゆが忘却対象だと思います。冬眠から目覚めた時、すぐそばに美海と紡くんがいた光とは違って、要は最初からひとりだったんですよね。光には自分をあたたかく迎えてくれる家族がいて、ちさきにもいつの間にか地上に居場所が出来ていて、でも要には、(紡くんの家に住むことになったとはいえ)身を寄せる宛てもこころの拠り所も何もなかったんです。剰え要は自分の気持ちを誰かに吐露することはほとんどないかっこつけですから、自分はずっとひとりなんじゃないかって怖くて寂しかったことを誰にも言えないまま、その苦しみをひとりで抱えて笑って過ごしてきたんです。
だから、さゆがあの時「ずっと待ってたんだから」って、「あんたがいない間も、あんたはここにいた」「ちゃんと、このまんなかにいた」って言って貰えて、本当に救われたと思うんです。僕には光やちさきと同じように、ずっと待っててくれたひとがいたんだ、って。
だから要は、自分を必要としてくれるさゆを失いたくないんです。(あくまで私の中では。)まさに『依存』しているのです。

要がメランコリアになっても、さゆは要が自分を思い出してくれるまで陰で泣きながらも待ってくれると思います。だって5年も待ったんだもの。悲劇のヒロインぶったヒーローを救ったヒロインは待つことに慣れてる。
でも、自分のことを何ひとつ覚えていない相手と接するのって、かなりつらいですよね…… さゆの心情を思うと胸が痛みます。



さゆの忘却対象はどう足掻いても美海だと思うのですが、敢えて要でいくとうわどうしよう涙出てくる
要は多分自分のことを忘れてしまっているさゆとは真正面から向き合えません。光に心配されても、「さゆちゃん、僕のこと忘れちゃったんだね」ってちょっぴり寂しそうな笑顔で返すだけで、でも本当は泣き叫びたいくらい苦しんでると思います。
けれど要が本当の自分を出せるのはさゆの前だけだから、またひとりで抱え込むんです。
古妖精病患者には忘却対象者との詳細は伝えない云々とあるように、それは光や美海といった第三者だけではなく忘却対象者である要もさゆに伝えることは出来ないから、自分を忘れていても尚さゆのそばにいたいなら、見ず知らずの他人を装って近付くしかありません。しかも翌日には昨日要と会ったことをすべて忘れてしまっているので、『はじめまして』の繰返し……つ、つらい…………



ネタとしては美味しいけど、やっぱり要さゆには幸せになってほしいので! ここらで一旦悲しい妄想はおしまいにします。
でも海神様に誰かを好きになる気持ちを奪われたのがまなかじゃなくてさゆだったら……っていうのも良いなぁ…………すみません黙ります
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