アンケート一位@タレ空(bacon)



※アンケート1位のタレカカはせっかくならば…ということで、金カカさんversionと黒髪さんversionを書かせていただくことにしました♪
ってことで、素敵金カカさんに続き、僭越ながら黒髪担当です☆
ターレス×悟空。劇場版のIFです^^
どうして生きてるんだとか言っちゃダメ。同人的、そして、baconの愛的都合です。



【Killing Me Softly】



「――っ!」

 気配を感じて目を開けようとしたが、瞼に激痛が走り、息を飲む。

「やっぱ生きてたんか・・・・。まだ気が残ってると思ってたんだ。」
「な、に・・・・?」

 自分のものと思えない掠れた声は焼け付く喉の痛みのせいか。

 生暖かいものが頬骨を伝い落ち、口端を掠めて顎に流れていく。伸ばした舌で確かめれば錆びた血の味が口内に広がった。


 さっき目を開けようとして、傷が開いたのだろう。
 
 真上からオレを覗き込んだ男の影が光を遮っているが、どうやらまだ明るい時刻らしい。
 地面に着いた背中に仄かな温もりが伝わってきた。


 オレを見下ろしているのがカカロットなのは分かっていた。
 だが、どうしてかオレはこの目で奴の顔を見たかった。
 
 無理をするなとやかましく騒ぐ声を意識の遠いところで聞きながら、オレは激痛に構わず歯を食いしばって瞼を持ち上げた。

「ああ―っ、だから言わんこっちゃねぇ。」
「五月蠅、い・・・・、貴様の指図なぞ、うっ・・・・くそ・・・・っ。」
「ターレス、まだ動くな、――っていうか、無理だよな、その体じゃ。・・・・それより、これ飲み込めっか?」
「なん、だ…それは?」

 腕を持ち上げることもできないオレの背中に、労わるというには程遠いガサツな動きでカカロットが手を回す。ゆっくり抱き起こされ、忌々しくも奴の肩に身体を預ける格好になったオレの目の前に小さな豆粒が差し出された。

「仙豆っちゅうんだ。一粒だけ残ってた。誰かにやろうと思ったけど、皆、何とか回復できそうだったから、一番重症の・・・・おめぇにやるよ。」
「――地獄に送る気なら痛くないように・・・・っ、頼むぞ。」
「何言ってんだ、おめぇ。これ食えば元気になっから。」
「何、故・・・・っ、助ける?」

 当然の疑問を受け、カカロットは一寸言葉に詰まって眉をひそめた。

「分かんねぇよ。――おめぇだけは、生かしちゃダメだって・・・・思ってたけど・・・・。」
「――死にかけているのを見たら、同情し、たくなった…か?」
「分かんねぇ、オラ・・・・、そういうのよく分かんねぇんだ。」
「そうか。」
「ターレス?」
「・・・・別に死に急ぐ、理由もない・・・・からな、助かるというの、なら、・・・・食わせろよ。」
「あ、ああ。」

 もっと追究されると思っていたのだろう。
 カカロットは拍子抜けしたように頷いて、小さな豆をオレの口に放り込んだ。

「ん・・・・っ。」
「噛まなくてもいいから、飲み込めよ。」
「分かっ・・・・、て・・・・っ、くそっ。」
「飲めねぇんか?」

 気遣わしげに尋ねるカカロットに頷いて見せれば、人差し指をオレの口に入れて舌の上に残った実を更に奥へ押し込んでくる。

「ぐぅ・・・・っ。」
「あ、わりぃ。」
「――っ、無理、か。」
「そんなこと、ねぇ。諦めんなよ、ターレス。オラ、水くんで来・・・・・」
「それまでもちそうもない、けどな。」
「なっ、バカ言うなって。とにかく飲み込めれば助かんだからっ!!」

 何をそんなに必死になっているんだと可笑しくなったが、至って真剣なカカロットを見ていると揶揄するのも面倒になってくる。


 ――オレも死にかけでヤキが回ったか。

 急激に襲ってきた倦怠感に身を任せて目を閉じようとした時、唇に温かく柔らかな感触が伝わり、カカロットの吐息が鼻先を擽った。

「ん、ぅ・・・・っ、んぐ・・・・ッ。」
「――っ、ぅ、くっ!」

 キスと呼ぶにはあまりにも切羽詰まった動きで、カカロットの舌が口内の小さな粒を唾液と一緒に奥へ押し込んでくる。乾き切った喉に潤いともいえない濡れた液が注ぎ込まれ、自然にオレを抱きしめる格好になったカカロットの必死の思いが早い鼓動になってダイレクトに伝わってきた。


「――っ、ん、ふぅ・・・・ッ、ぅん・・・・ッ、―――ッ!?」

 悪戦苦闘の末、喉の奥にスルリと豆粒が滑り込んだと思った直後、嘘のように身体に力が漲る。
 不思議な感覚に驚くよりも早く、まだ唇を重ねたままのカカロットの舌を絡め取り、大きく目を見開いた間抜け面に煽られるまま身体を反転させた。大地についた両手の間に閉じ込めたカカロットの顔は、事態が呑み込めず、ただオレを真っ直ぐ見上げている。

 欲しい・・・・
 この時、オレの頭を支配したのは、ただその一語だけ。

「抱かせろ。」
「は???」
「・・・・ま、断られても止める気はないが、一応事前告知だ。こう見えてもオレはデリカシーはある方だからな。」

 軽口は腹の底で暴れまわる欲情を鎮める術に他ならない。
 ありったけの欲を身勝手にぶつけたくないと思ったのは、何故なのか。
 まだ、この時のオレには分からなかった。

「抱く・・・・って、ターレス・・・・っ!!」

 戦いの後、そのままの姿であちこち飛び回っていたのだろう。
 むき出しの上半身は、白い肌に痛々しく残る裂傷のせいで益々扇情的だ。

「おまえの気持ちには、身体で答えてやる。」
「オラの気・・・・持ち、ぅ、ん・・・・やっ、ターレス、何・・・・すん、だ!」
「――どうせ男相手は初めてだろう?優しくしてやるから安心しろ。」
「どこ触っ・・・・ぁ、やっ・・・・!!」
「思ったとおり、敏感だな。・・・・戦いと同じだ、カカロット。食うか食われるか・・・・。今度はおまえが負ける番だな。」
「やっ、ぁ・・・・ッ、止め…!!!」
「おまえが生かした男がどういう人間か、教えてやる。じっくりと・・・・」

 喉の奥を震わせて笑い、分厚い胸の先端を軽く噛むと、カカロットの背中がビクンと大きく跳ね上がった。

「ターレス・・・・っ、ぁ・・・・!」
「――無意識だろうと何だろうと、おまえはオレを惹きつけた。それならいっそ・・・・虜にしてみろよ。おまえなら、もっと楽しませてくれるだろう?」
「身体・・・・がっ、熱ぃ・・・・!!」

 押し寄せる快感に必死で抗うカカロットを容赦なく追い詰め、回復した身体を渦巻く熱を肌に刻む。

 さも大きな野望があるかのような顔をして宇宙を彷徨いながら・・・・
 いつも探し続けていたもの。


 オレ以上に、オレを魅了する存在。

 ――カカロット。

 
 蒼い星で出会った・・・・運命。




END



【あとがき】
タレが運命論を信じるかって言われると甚だ疑問ですが、もうそこはタレカカ好きの愛で解釈が捻子曲がってるんだな、と生暖かく見守ってやってください^^;すごい短文ですいません><愛だけはぎうぎう。

悟空さよりもタレの心情がメインになっちゃったので、悟空受け祭アンケには相応しくないかも・・・・とドキドキしますが、タレ目線でゆっくり悟空に溺れたかったんです〜〜////多分最後に勝つのは悟空さですからw

期間中たくさんの投票、コメントありがとうございました。
皆様の悟空愛に支えられ、お祭も無事にOPENできました。少しでも悟空受けLOVER様の癒し空間となれば幸いです^^

【from來庵】
劇場版if、キタこれっ///////
やっぱりね、悟空はターレス助けちゃうと思うなぁ・・・っていうか助けてほしいです//////
ターレスは悟空さに会ったことで・・・助けてくれたことで自分の中で、自分自身も気付かないような変化はあったんだろうなって思います/////
ナルシスト(?)なターレス様もきっと悟空さには魅了されると信じております^^/////
やっぱりbaconさんにアンケートの大トリお任せして良かったです(*>艸<)

素敵なお話、本当にごちそうさまでした/////

アンケート期間中はたくさんの投票を本当にありがとうございました^^
コメントを下さった方も、こちらの発表作品にお付き合い下さった方にも心より感謝申し上げます^^
アンケート結果以外も素敵な悟空受け作品を多数お預かりしております^^
このお祭りで悟空受けlover様が胸いっぱいになる萌えを感じて下されば幸せです〜♪


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