5
「……は、」
眩しくて、目が覚めた。
カーテンが開いて、太陽の光が部屋に降り注いでいた。
俺が寝ているのはベッドで、後ろから俺を抱き締めているのが樹だということだけ確認できた。
あれから、何度も樹に求めた。
結果として、意識を飛ばしたらしかった。
「樹、」
「ん」
「あっ…」
ちゅっと耳にキスされた。
俺の、弱いとこ。
「ちょ、…っん!」
「……俺が、いるから」
耳元で、囁かれる。
ぴたりと、俺は動きを止めた。
「寂しいなら、傍にいてやる。空っぽなら、満たしてやる。だから、」
満たされる。
「……泣くな」
「っふぇ、……う、っ」
髪を撫でられて、またぎゅっと、抱き締められた。
この背中の温もりがある限り、生きていようかなあ、なんて。
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