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気付いたら俺は、ソファの上に組み敷かれていた。
縫い付けられた手首が、きしりと傷んだ。
「いつ、っ……ン、」
口を塞がれて、するすると素肌を樹の手がなぞった。
くすぐったくて、俺はびくりとする。
「遥、っ……」
「………」
泣きそうな声で、樹は貪るように俺の服を剥いでいく。
俺はなされるがまま。
でも構わない。
樹だから。
「お願いだからさあ、樹」
そっと樹を、胸に抱き込むように抱き締めた。
熱い息が肌にかかる。
樹も俺を抱き返してくれた。
それでもう、十分だ。
「俺を、殺してよ」
あなたの手で、終わらせて。
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