6
side.恭平
少しだけ期待しても、いいだろうか。
「淋しかった?」
意地っ張りな満月からの、返事を。
「っ……別に、」
「俺は淋しかった」
「う、」
「会いに来てくれて、嬉しい」
ぱっと満月が振り向いて、微かに潤んだ目と目が合った。
「……ほんと、?」
「うん」
「本当に、淋しかった?」
「そりゃあもう」
「……俺も、淋しかっ、」
泣きだしそうな満月の言葉を遮って、唇を重ねた。
きっと不安だったんだろう。
俺が満月に遠慮するくらいに、満月も俺の妨げにならないよう遠慮して。
お互い伝えあうことも出来ないまま。
「んっ、ふァ」
「次は、俺が行くから」
「っ……うん、」
お互い思い合う気持ちは、同じだったようで。
素直に言えないやつだから、俺が見極めてやらなきゃと。
愛おしい人を、大切にするために。
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