2
 

side.恭平



「……満月?」
「……」



突然の訪問者に俺は言葉を失った。
玄関先で俯く満月を、とりあえず家にあげる。



「どうした、急に」
「理由がなきゃ来ちゃ駄目か」



お前はいつも勝手にくるくせに、と満月は顔を上げずに言う。
ちらりと見えた頬が微かに蒸気している。

……ほう、これは。



「……好きなだけいりゃいいよ。俺は明日の会議の書類作らなきゃだから、あんま構ってやれないけど」
「……ごめん」
「なーにかしこまってんだ」



がしがしと頭を撫でると、少しだけはにかむように笑った。



「飲み物とか、適当に飲め」
「……あぁ」



キッチンに向かった満月を見て、俺はテーブルに座りなおしてパソコンと睨めっこ。
早いとこ、片付けなきゃな。



前へ top 次へ

 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -