6
「っは、はぁ、っ……」
「奈津、」
「けほっ、」
暗い部屋の中。
ベッドの上で、僕は航に抱き締められていた。
混乱する僕を宥めるように、航が頭を撫でる。
あのときと、同じ、優しさ?
「も、やだっ、や、嫌ッ」
「奈津、」
「こわっ……やだ、怖いの、」
航は、変わらない?
僕を、痛め付けない?
信じても、いい?
「もう大丈夫だよ」
「うぇ、っ……、ふ」
「もう、怖いことはないよ」
涙を拭う手が、優しくて。
「たす、けてっ……」
「ん、」
「こお、っ……こお、」
「ここにいるよ」
僕は少しだけ、夜が怖くなくなる。
明日は、晴れてるかな。
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