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ずるりと指がぬかれて、熱いモノが後孔に押しつけられた。
あらぶる呼吸を落ち着かせようと、息を吐いたとき、
「っ、うあああッ!」
「くっ、」
「あ、ぁ、」
痛みにボロボロと涙が流れた。
握り締めた手の痛さとは比べものにならないそれに、僕の意識は飛びそうになる。
「ん、ァ、ッ」
律動を開始されて、ベッドがぎしりと動き出す。
お父さんの荒い息遣いを背中に感じた。
「やっ、あ、ンッ」
「気持ちよさそうだな」
色の付きはじめた声に気をよくしたのか、お父さんが律動を速めた。
「うぁ、ッ、ひァっ!」
滲んだ視界で、シーツを握り締める左手が見えた。
傷口が開いたのか、腕から流れる血がシーツを汚していた。
あぁ、汚いなと。
僕は、汚いなと。
そんなことをぼんやり思いながら、僕は意識を手放した。
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