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「ふざけるな!あの契約書がなかったら、」
「っ……」
怒鳴り声にカップを落としそうになる。
両耳を塞いでしゃがみこんだ。
くぐもったお父さんの声が聞こえた。
「……もういい!」
最後にそう聞こえて、大きな足音がした。
僕は震える足で立ち上がる。
眉間に皺を寄せたお父さんと目があって、
「何で俺が尻拭いしなくちゃならないんだ!」
「痛っ……!」
ぐい、と髪の毛を掴まれて、キッチンからひっぱりだされた。
寝室へと連れられて、頬を殴られると同時にベッドに倒れこんだ。
「……なんだ、その目は」
「かは、っ」
首を絞められた。
くるしくて、涙が浮かんだ。
もう許して、と。
もういいでしょう、と。
言うことは出来なくて。
優しいお父さんに戻って。
僕の頭を優しく撫でて。
僕を、愛して、
「お前も俺を馬鹿にするのか?」
「ちがっ……ごめん、なさっ…ごめんなさいっ」
うつ伏せにされて、Tシャツの裾を乱暴に捲り上げられた。
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