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「なっ……!誰だこいつに酒飲ましたの!」
「え?……って日向!?え、でもさっきカルピス」
「これカルピスチューハイ!酒!」



わあわあと違う意味で騒ぐ奴らをはた目に、日向は擦り寄るように俺に抱きついてくる。
チューハイで酔ってしまうなんて日向らしいというか。



「かいちょ……」
「う……」



甘い声は俺をギリギリまで追い込む。
周りを気にして抱き締めかえせない状態のまま、俺は日向を肩に担ぎあげた。
楽しいのか、日向は陽気に笑っている。



「こいつ連れて帰るわ。俺も疲れた」
「会長、寝不足ですもんね。お疲れ様でした!」



次々にお疲れ様でしたー!と声がかけられ、俺は心置きなく宴会の輪から離れた。
最後に裕二がにやにやと笑っているのが見えて、少しだけ舌打ちをした。



居酒屋から寮までは近い。
終始何かを喋ったり、くすくす笑っている日向をかつぎなから、俺は歩き続けた。



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