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「ラストでーす!」
「こっちのテーブルでーす!どうぞ、会長」
「あぁ」
夜の居酒屋。
総会が終わり、生徒会で打ち上げにきていた。
寮を離れて私服で、少し浮かれた雰囲気。
座敷で長机に座り、各々食事をして終わり間近。
俺はわいわい騒ぐ奴らから少し離れ、壁にもたれかかってグラスを空けていた。
最近は準備で忙しく、寝不足気味だった。
今も疲れがどっと出て、眠気が半端ない。
先に帰るか、と二次会に行く雰囲気を察して考えたとき、
「……?」
とん、と肩に何かが寄りかかった。
ふと見やるとそこには日向がいて。
「かーいちょー…」
とろんとした目に、微かに赤い頬。
真っ赤な唇から紡いだ声は想像以上に甘い。
そして日向はにへらと笑った。
ぐっとくるのを抑えて、
「ひな、」
「……いーにおい……」
首に腕を回されて、抱き締められた。
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