7
 

「……う、」
「……起きた?」



優しい、声。
目をあけると航がいて、頭を撫でられていた。



「やっ、離し……けほ、ッ」
「駄目だよ、熱あんだから大人しくしてなきゃ」



拗らせて肺炎になったらどうすんの、と布団を首元まで上げられた。
ばれちゃった、みたいだ。



「また、って……」
「え?」
「何回も……面倒って、おもっ」
「思ってないよ」



頬に軽く唇をあてられた。
ひんやりして、気持ちいい。



「心配かけたくない、って心配しなくていーよ。俺は面倒とかちっとも思わないし」
「でも、」
「でもじゃない。心配するって、大事ってことだろ?俺にとって奈津は大事だから、心配するの」



だから、心配されることは大事にされてるってこと。
航はそう言って、優しく笑った。



(僕は、)
(大事にされてる…?)



「大切にしたいから、心配させてよ」
「………ん、」



あのね、航。
僕、風邪ひいちゃった。

心配、してくれる?



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