3
 

――数日後。



「奈津、かーえろ」
「……もう?」
「たまにはいいじゃん?」



いつもより2時間も早い時間に、航が迎えにきた。
笑顔でそんなことを言うもんだから、僕は何も言うことができなくて。

言われるがまま、保健室を出た。



「……?どこ、行くの?」
「んー?ちょっと」



いつもと、違う道。
遠回りをしてる。

もしかして何か用事があるのかもしれないと、僕は黙って手をひかれて行った。

いつもの教室の前にさしかかる。
ふと、チャイムが鳴った。



「やば、奈津、早く行こ」
「っ、え、?」



突然に航が走りだすから、僕はつんのめった。

早く早く、と急かされて、一つの教室に促される。



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