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side.航



また頭を引き寄せて、キスをした。
唇を甘噛みしたり、ぺろっと舐めたり。



「一緒、寝る?」
「……ん」



奈津がとろんとした顔をしたから、眠たくなったのかなと思った。
のそのそとベッドに奈津が入り込んで、



(っ、うわ、)



ぎゅうっと抱き締められた。
いつもは俺が胸に抱いてやるのに、今は違う。
奈津が俺の頭を胸に抱えて、抱き締めてくれた。
ゆるゆると頭を撫でられて、俺はそっと奈津の細い腰を、抱き寄せた。



(……なんか、)
(嬉しい、かも)



奈津の体温が温かい。
匂いが安心する。
優しい手が心地いい。



「早く、良くなってね」
「………ん」



でもしばらくは、風邪治らないでいいかなあ、なんて。



「……おやすみ」



奈津の声が、聞こえた。



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