4
 

side.航



「っ、ん」



顔が近付いたところで頭を引き寄せて、唇に吸い付いた。
奈津が可愛いから。



「う、っん」
「……風邪移るかな」
「ん、だめ……っ」



唇を離すと、奈津ははぁっと息をついた。



「っは、熱上がっちゃ、」
「奈津のが赤いよ」
「う……」
「でも風邪移っちゃ駄目だね」



ごめん、と頭に添えた手を離した。



「やっ……」
「え?」
「風邪、移して、いーよ」
「え、駄目でしょ。きついよ」
「僕が風邪ひいたら、次は航が、傍にいてくれるでしょ……?」



……可愛い。
何もかもが愛おしい。
ぎゅってしたい。
奈津は俺のモンだって、言い触らしたい。

そっと、頬に触れた。



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