3
 

ソファに押し倒して、キスをいくつか。



「ふふ、くすぐったぁい」



首筋にキスすると、綾は身を捩ってくすくす笑っていた。
いつもより熱い身体に手を這わせても同じ。



「やぁ、くすぐったいってばぁ」
「おまえなぁ……」



この状態で、お預け。
酒に酔っているとはいえ、いつもより甘えて、目を潤ませて見上げられたら、我慢出来るものも出来ない。



「りょうもくすぐったいのしたげるー」
「っばか、」



ちゅ、と首に唇が触れた。
ちろりと舌で舐められる。



「おい、止まんなくなるだろ」
「……?」
「……やっぱいい」



純粋無垢な目を向けられたら、まぁそれなりに罪悪感があるわけで。
そもそもシラフになったとき、綾から何を言われるかわからない。
我慢我慢、と自分に言い聞かせた。



「りょうー……」
「ん」
「寝てるの、や……」



ぎゅってして、と腕を伸ばしてくるから、それを取ったまま抱き抱えた。
どうせもう寝るだけだ、とそのまま寝室に向かった。
一緒のベッドに入ると同時に、綾が抱きついて擦り寄ってきた。



「りょうー」
「なに、眠いの」
「あのね、すき……」
「………」
「涼はおれのこと、きらい……?」
「……好きに決まってんだろ」
「よかったぁ、」



ふにゃ、と綾は力なく笑った。
愛しくて、離れたくなくて、腕に抱えて頭を撫でた。


「りょ、う、」
「ん」
「りょう、りょう……」



何度も名前を呼んで。
安心したような顔を見せて。
綾は静かに眠った。

たまにはお酒も、いいかもしれない。



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