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とりあえずソファに座らせた。
酒が抜けるまでは眠れないだろう。
それか、酒で眠れるかのどちらか。



「おら、水飲め水」
「おみず、やー…」
「黙って飲め馬鹿」



しょんぼりした顔で両手にコップを包みながら、ちびちびと水を飲んでいた。

初めて見た、こんな様子。
まぁ未成年だから、お酒を飲むこと自体ないんだろうが。



(……なんつーか、)



目に、毒。



「のんだー…」
「ん」
「えらい?」
「あー、えらいえらい」



元から幼い感じはするけれど、さらに幼くなった感じだ。
呂律も酒のせいか、うまく回っていない。



「ん!」
「あ?」
「んー!」



綾が突然、謎の行動をした。
頭をつき出すような形に、頭突きでもする気かと身構えて、



「いいこ、ってしてよー」
「は」
「いいこなの!」



合点がいった。
ここはやりたいようにやらせといた方がいいだろうと考えた。

綾の猫っ毛の頭を撫でてやると、気持ち良さそうに目をつむった。
へへ、と心底嬉しそうに笑う。



「りょーもいいこいいこなの」
「え」



腕を伸ばして、頭を撫でられた。
……いつもはしている側だからか、いざされるとなんだか恥ずかしい。



「あのね、おれ、すきなの」



何度も頭を撫でながら、いう。



「涼にいいこ、ってされるの。だからおれもしたげるの」



……可愛いこと言ってくれる。



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