5
side.恭平
落ち着きを取り戻した満月を、抱き締めて横になった。
「ごめ、痛い、かった……?」
「へーき」
「疲れてるのに……ごめん、」
しゅんとして謝る満月の額に、唇を寄せた。
「満月がいるなら、俺、何もいらねぇもん」
「っ………」
「だから、薬気をつけような、満月が死んだら俺どうやって生きてけばいいの」
「ごめ、なさい……」
愛しい。
満月が死んだら、俺はどうやって、いきていくんだろう。
「恭平……きょう、へ……」
何度も名前を呼んでくれる、存在。
どこにもいかないで、と何度も口付けた。
すがりついてくる細い指に、胸が熱くなる。
答えは、一つだ。
「一緒に、死んじゃおうか」
さぁ、一緒に眠ろう。
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