3
side.葵
僕は、どうしたんだろう。
頭がぼんやりする。
身体が温かい。
ふかふかの、布団だ。
ドアが開く音がした。
「父さんっ……葵くん、は」
(誰の、声……?)
「無理してたみたいだね。過労だよ」
「………」
「今はゆっくり休ませよう」
(朝倉さんのお父さん……と……?)
またドアが開く音がして、少し後に左手を握られた。
「……葵…」
この声、
(朝倉、さん……?)
手を握って、額を撫でられて。
少しだけ頬に、唇が触れた感触がした。
「………め、ん…」
(……?)
よく、聞こえない。
僕はまた、意識を手放した。
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