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玄関に崩れるように、二人で抱き締めあいながら座り込んだ。

先生が抱き締めてきたはずなのに、僕が震える先生の頭を抱えてる。
ゆっくり頭を撫でると、先生はぎゅっと僕の腰に回す腕の力を強くした。



「雨宮、あまみやっ……」
「……僕が、います」
「っ……」
「僕はずっと、先生のそばに、います」



廊下の先に見えたリビングのフローリングに、指輪が転がっているのが見えた。
お兄ちゃんと、一緒のもの。



「俺、お前を、傷付けた」
「……先生の方が、傷ついてる」
「………」
「先生が、好きなんです……だから僕は、強くなりたい……」



自分の弱さを、許さない。
先生の傷を、癒す。
そんな強さが、欲しかった。



「先生、泣かないで、ください……」
「っ……ごめん、」
「僕がいます、どんなことがあっても、僕が、そばにいます……」



縋るように抱き締められて、噛み付くようにキスされた。



「ん、ふぅ、んっ……」
「雨宮……ごめん…」
「んっ、ん」



先生が僕を、救ってくれるように。
僕は先生を、癒してあげたいんだ。



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