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side.執事
部屋から聞こえるのは、甘い嬌声。
「ふぅ、んっ、あーっ…」
佐伯千夏様。
先日、ご主人様が人売り場から購入してきた『奴隷』。
庇護欲を掻き立てるような儚い雰囲気を持った、驚く程綺麗な少年。
「……そんなところに突っ立ってないで入れ、弥生」
「っ……!」
気付かれていた。
四つんばいになった千夏様を揺さぶりながら、ご主人様はドアの前に立ちすくむ私に言った。
「こっちにこい」
「し、つれい、します」
にやりと笑いながら、ご主人様は言う。
私は意識があるのかわからない千夏様を傍目に見ながら、ご主人様に近付いた。
「なっ……!」
「そのまま、そこに膝立ちしろ。これは命令だ」
ずるりと、ズボンを下げられてしまった。
普段は怯えて殆ど口を開かない千夏様の、想像以上の乱れた姿を見て、少し反応してしまっている。
ご主人様が笑って指さしたのは、千夏様の顔前。
「そ、んなこと、」
「命令が聞けないのか、弥生?」
逆うことは、出来なかった。
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