3
side.朝倉
「………なに、それ?」
呼び出して、俺の部屋に来た葵は、いつもと違っていて。
擦り傷もあるし、服がよれよれで、ちらりと見えた首元に、赤い痣。
俺の、知らない、印。
「誰がやったの?」
震えて泣き出した葵をベッドに組み敷いて、尋問した。
まさか友達なんてことは。
葵の友人関係は、俺が片っ端からつぶした。
俺にしか、縋れないように。
「知ら、なっ……こわ、っ、急に、腕っ」
「知らない人?怖かったの?」
「んっ……」
ガタガタ恐怖に震える葵を抱き締めると、きゅっと抱きしめ返された。
優しい声音で言うと、葵はすぐに油断する。
俺はにやりと笑って、耳元で囁いてやる。
「葵は知らない人にも、足開くんだ?」
ひやりとした、声。
葵が違う意味でびくりと震えるのがわかった。
「なっ……ちが、っ」
「誰のモノか、わかってる?」
「やだ、やぁっ……」
むかつく。
葵に手ぇ出したやつは、後で殺す。
「葵には俺しかいないだろ?」
笑いが止まらない。
だから、ほら。
良い声で泣けよ。
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