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side.朝倉
俺、朝倉修は風呂上がりの濡れた髪を拭いていた。
ベッドに座り、なかなか豪勢なラブホテルの様相を見渡す。
「……朝倉、さん…」
「……なに」
シャワーを浴びおわったのだろう、情事後と同じく頬を蒸気させながら、三上葵は突っ立っていた。
栗色の髪からぽたぽたと、滴る水を眺める。
ああ、ぐちゃぐちゃにしてやりたいなと。
「もう、終わりに、してください」
「……何を?」
「っ……」
葵が言えないとわかっていて、俺は聞く。
想像通り、ぐっと唇を噛んだ。
笑えてくる。
「逃がさねぇよ、一生」
「………!」
絶望の色。
ぞくぞくする。
突っ立ったままの葵の腕をひいて、膝に乗せた。
嫌がる顔を捕まえて、強引に唇を重ねる。
「可哀想にな」
可愛い、俺のモノ。
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