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side.譲



1日言うこと聞いてというお願いは、半分冗談ではあった。
しかし真面目な雨宮だ、可能な限り従おうとしてくれて。
それが可愛くもあり、愛おしくもなる。



「……あー…」



キッチンでうなだれた。

美味しい条件ではある。
シャツ1になれとか、触らせろとか、色々、いかがわしいことも正当な理由ができるわけで。
けれど傷つけたいわけじゃないから、一線は引いているつもりだった。



「やばいな……」



キスをして、思わず、素肌に触れた。
雨宮は抵抗、しなかった。
びく、と震えた身体は、俺に熱を持たせるのは十分だった。



「先生、」
「っ」
「気分、悪いですか……?」



遅いのを心配したのだろう、雨宮が側まで寄ってきた。
心配そうに眉を寄せたその顔をみたら、自然と笑みがこぼれた。



「ん、そんなことねぇよ。……ココアでいい?」
「はい……」



未だすっきりしない顔を見せる雨宮の頬に、唇を寄せた。



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