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side.譲



「日高先生、お時間大丈夫ですか?」
「え?」



言われて、気が付いた。



「……し、失礼しますっ」



夕方、帰るって。
部屋で、待ってるって。

現在――外は真っ暗。
慌てて車に乗り込んで、電話をかける。

繋がらない。



「……あー……」



もしかして、これは。
ちゃんと仲直り、してなかったし。
……怒ってる。

よく見たら、一回、着信履歴が残っていた。
二時間前だ。
急いで車を走らせた。



「あま、みやっ……」



部屋は明るくて、少しだけほっとした。
息を整えないまま部屋に入ると、



「あ……」



ソファに突っ伏して眠る、雨宮がいた。

机の上。
いつもの晩飯とは違う、豪華な飯が並んでいた。
中央には、明らかに手作りとみえる、白いケーキ。



(………あ)



今日、って、



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