3
 

先生が、いなくなった。
たった二日間、ただ、それだけ。



「………」



毎日、鳴らない携帯を握り締めた。
僕から連絡なんて出来なかった。



「会いたい、よ………」



合鍵があるから、先生の部屋には自由に行けるのに。
携帯があるから、先生に自由に連絡できるのに。
僕は僕に自信がないから。


「……う、ぇ……っ」



僕はまだまだ子どもで、先生の苦労なんて、ちっともわかってなくて、



―――ガキじゃあるまいし、



十分、ガキだから。



泣き続けた夜も、一人の夜も、終わり。
今日、先生に、会える。
先生は帰ってくる。



「………よし」



先生の部屋で一人、気合いをいれた。

夕方には帰ってくる。
あと二時間くらい、かな。
今日は会えないかも、って思ってたから、嬉しかった。

先生の笑ってる顔がみたい。
だって、今日は、一度だけの、



前へ top 次へ

 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -