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「もしもし、結城?」
「っ……はる、かっ…」
「……結城?」



電話の向こうに、春川くんの声が聞こえた。
柔らかい、素直に耳に入る、優しい声。
僕は、縋りたくなる。



「はる、かわっ……けほっ」
「結城、」
「げほっ、……たすけ、っ」
「………今から行く」



どれくらいの時間が経ったかわからない。
鍵の開けっ放しだった寮部屋で、足音が聞こえた。



「っはる、げほっ……」
「……結城」



温かいものに、包まれた。
息が出来なくて、ただ無我夢中で、目の前のシャツにしがみついた。



「はふ、っ……は、」
「ちょっと苦しいけど、我慢してね、」
「はぁっ、はっん……」



春川くんの顔が近付いて、唇が重なった。
背中を撫でられて、春川くんの鼓動を聞いて。
ゆっくりと、息が、楽になる。



「っん……は、」
「頑張ったね」
「っ………」



冷静になって、春川くんの身体から離れようとした。
けれど、逆にぎゅうっと抱き締められた。



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