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side.航
「高梨、さっきの話、」
「悪い!急ぐからまた後で!」
「おいっ!」
生徒会の話し合いがあっている間も、雷が派手に鳴っていた。
きっと奈津は、怯えているはず。
心配で堪らなかった。
「奈津っ!」
切れた息を整えながら、きょろきょろと部屋を見渡す。
しんとしていて、雨の音がうるさい。
寝ているのか?と思っても、寝室には誰もいない。
「奈津……?」
あんな状態で、どこに行ったんだろう。
掛け布団がなくなっているのに気付いて、奈津が怯えながら布団にくるまっているのが想像できた。
早く、抱き締めてやりたい。
でも、どこに……?
心配になって、満月先生のところかもしれないと思い、携帯を取り出して、
「……?」
目の端に映った、クローゼット。
扉に、布団の端が挟まっていた。
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