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「ふあっ!」
ごろごろと、雷が鳴った。
航がいなくなった部屋、寝室に逃げ込んだ。
布団を頭から被るけど、雷の音は聞こえる。
「ふぅぅ……こお……っ」
早く帰ってきてと思った矢先、どぅんと大きな音。
花火と似てて、でもそれより大きな音。
花火は平気になったのに、雷はやっぱり怖い。
航、どれくらいで帰ってくるのかな。
それまでに晴れるかな。
「……わあっ!」
大きな音がなるたびに、びっくりしてしまう。
落ちないとわかっているのに、怖くて、涙が出た。
航と一緒に学校に戻れば良かったかな。
でも、外出るのはもっと怖い。
「ふぇっ……う、っ」
布団じゃまだ怖い。
どこか、隠れるとこ……。
布団を頭から被ったまま、ずるずる引きずって歩いた。
「やぅーっ……!」
ごろごろ。
早く、隠れなきゃ。
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