3
 

「ふあっ!」



ごろごろと、雷が鳴った。

航がいなくなった部屋、寝室に逃げ込んだ。
布団を頭から被るけど、雷の音は聞こえる。



「ふぅぅ……こお……っ」



早く帰ってきてと思った矢先、どぅんと大きな音。
花火と似てて、でもそれより大きな音。
花火は平気になったのに、雷はやっぱり怖い。

航、どれくらいで帰ってくるのかな。
それまでに晴れるかな。



「……わあっ!」



大きな音がなるたびに、びっくりしてしまう。
落ちないとわかっているのに、怖くて、涙が出た。

航と一緒に学校に戻れば良かったかな。
でも、外出るのはもっと怖い。



「ふぇっ……う、っ」



布団じゃまだ怖い。

どこか、隠れるとこ……。
布団を頭から被ったまま、ずるずる引きずって歩いた。



「やぅーっ……!」



ごろごろ。
早く、隠れなきゃ。



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