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「わ、降ってきた。急ご」
「うん、」



航と一緒に帰っていると、ぽつぽつ雨が降ってきた。
ぎゅ、っと握る手が強くなって、小走りに寮へと急いだ。



「大丈夫?寒くない?」
「ん、平気」



僕が風邪をひきやすいのを知って、僕の部屋に直行するとタオルで包まれた。



「うう……痛いよ…」
「ちゃんと拭かなきゃ駄目だろー」



ソファに座らされて、頭をごしごしと拭かれた。
すぐに寮に着いたし、そんなに濡れてないと思うのに……。



「ん、っ」



タオルの隙間から航と目が合って、触れ合うだけのキスをした。



「雨強くなってきたなぁ」
「……うん」
「学校戻りたくないなー」



航は生徒会の仕事があるみたいで、僕を寮まで送ってくれたんだ。



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