7
side.満月
むかつく。
むかつく。
むかつく!
心配したのが馬鹿みたいで。
泣いてる自分がアホらしくて。
でも、涙は止まらなくて。
安心と、悔しさと、喜びが、一気に溢れだして。
「ううーっ……」
涙が、止まらない。
「っ………!」
「ごめん、満月。ごめんな、」
後ろから、恭平に抱き締められた。
「心配してくれたんだよな、なのに、俺」
「………」
「ごめん……」
力が強くなる。
手が、温かい。
「……びっくりした」
「……うん」
「……死んだかと思った」
「……うん」
「死ねばいいのに」
「ちょっ……ひどい!」
自然と笑えた。
恭平も笑った。
やっぱり、うん。
「次、なんか奢れよ」
「わーってます」
こいつの傍が、いちばん。
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